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2011年8月20日土曜日

コラム[只見の水害と復興状況]


多くの皆様から7月29日から30日にかけて発生した新潟・福島大水害の被害に
ついてお見舞いの言葉をいただきました。水害発生後、8月2、3日及び8月10日
から16日まで2回只見に行きましたので、被害の程度と復興状況について報告
します。

テレビ等で報道された内容は被害の一番ひどいところであり、視聴者は町全体
がめちゃくちゃになってしまったとの印象を受けがちですが、被害の範囲は町
全体の一部であり10%に満たないと思います。被害の大きい箇所は伊南川、只
見川、叶津川に架かる橋の流失です。伊南川の小川橋が流出し、楢戸橋が半壊、
只見川本流の五礼橋が半壊、叶津川の中の平橋が半壊です。道路の崩壊は黒谷
川と叶津川だけで他はほとんど無傷です。田畑の冠水、土砂の推積被害は只見
町中心部と叶津、八木沢集落が主な所です。家屋の流出は全町で10棟未満です。
8月2、3日と被災直後の現地を視察しましたが、想像していたより被害が軽微
なので安堵しました。

被害の一番大きかった地区は番所のある叶津地区に隣接する八木沢集落と中ノ
平集落です。番所管理人さん宅は中ノ平集落にあり家屋の流出を免れたものの、
床上浸水の被害で、床下は土砂で埋まってしまいました。番所と中ノ平集落の
間には叶津川に架かる橋がありますが、洪水で半分崩壊していました。電柱も
倒れ、停電していて、電話も不通、断水のため家族全員が番所に避難していま
した。8月5日には断水していた番所の水道も復旧したと連絡があり、お盆休み
の番所でのイベント開催が実施できる目処がたちました。

8月10日に只見を再び訪れると、すでに中ノ平集落までの道路や橋が仮復旧し
車で行き来できるようになっていました。道路の復旧と共に電気や水道などの
ライフラインが復旧し、只見川沿いの国道も塩沢集落まで通行できるようにな
っていました。ライフラインの復活まで一ヶ月はかかると思っていましたが、
一週間ほどで復旧したのには驚きました。番所下の叶津川には数台の大型パワ
ーシャベルが川に降りて流れを元の姿に治す工事を急ピッチですすめています。
河原石を寄せ集めて、仮堤防が造られていきます。思ったより復旧のスピード
が速い印象です。流出した橋や崩壊した橋の完全復旧までは2、3年かかりそう
ですが他の被害は来春には復旧しそうです。美しい風景も雪の季節を越えて新
緑のころには元の姿に戻っていることでしょう。我々の住む現実世界は変化、
変化が続いてゆきますが、時には急激な変化をおこします。それが、この度の
東日本大震災であり、只見川の氾濫だと思います。幸い只見は原発事故による
被曝被害はほとんどありませんでした。水害の被害は想定の範囲であり復興は
早いと思います。

私が一番心配していたのは、叶津川と只見川の合流点にある瞑想の場所がどう
なっているかでした。合流点の左岸段丘は洪水でだいぶ様子が変わっていまし
たが、瞑想ポイントはほとんど元の姿をとどめていました。新しく対岸にも瞑
想にふさわしいポイントを見つけたので、従来どおり合流点での瞑想を合宿の
プログラムで実施できそうです。

一日も早い只見の復興と被災された皆様の健康をお祈りします。


<著:坂本知忠>
(協会メールマガジンからの転載です)