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2012年11月25日日曜日

コラム[ジャイナ教と仏教は兄弟宗教]


ゴータマ仏陀の仏教(仏陀在世から入滅後100年まで)と現在印度で行われて
いる白衣派ジャイナ教を比較してみると、驚くほど教義と修行体系が似ている
ことに気づく。

仏陀の仏教は2500年の間に変貌をとげ、北伝仏教では仏教のカテゴリーに入ら
ないのではないかと思うほどに変化してしまった。ジャイナ教は裸行派、白衣
派の違いこそあるが、2500年の間伝統を守りほとんど変化することなく現代に
伝わってきている。

世の中には理想主義と現実主義がある。私はジャイナ教が本家、仏教が別家あ
るいはジャイナ教が本店で仏教が支店、新店だと考えている。ゴータマ仏陀は
もともとあったジャイナ教の哲学や思想、修行体系に若干の手直しと新発見を
加えて別家を作ったのだと思う。そして改革派であり現実主義をとった別家
(仏教)が時代のニーズをつかみ当時の大衆や金持ち達に支持され繁栄したの
だと思う。

仏陀の改革は輪廻転生からの解脱法として苦行を止め、智慧の瞑想を重視した
点にある。只そこだけが違っている。仏陀は実際主義者、実用主義者だった。
厳格主義者ではなかった。現実妥協の面が多々あった。仏陀の時代、出家の立
場からすれば、糞掃衣、食物は托鉢で得る、屋根の下で寝起き出来ないのが通
例だった。

金持ちの信者が増えると仏陀は信者からの新品の衣をつけ、食事の接待を受け、
寄進された精舎の屋根付きの家の中で寝起きするようになった。在家信者は出
家に布施することで多くの功徳を積むのであるから、その機会をシャットアウ
トしてはならないというのがその理由だった。

このような仏陀に対して反旗を翻したのが、悪名高き?デーヴァダッタ(仏陀
の従兄弟)である。彼は極端な厳格主義者、理想主義者だった。仏陀のやり方
に不満を持った。このことについて仏陀の留守に投票にかけた。デーヴァダッ
タの圧勝だった。しかし同じ仏陀の従兄弟のアーナンダの説得で多くの弟子は
仏陀に戻った。デーヴァダッタは少数の仲間と別の教団を作った。

仏陀入滅後百年ほど経って、再び戒律をめぐる対立が起こった。戒律を時代に
あった緩やかなものにしてはどうかという提案だった。主なところは、当時教
団で食料の貯蔵は認められていなかったが、食材(特に塩)の貯蔵を認めては
どうか、布施を金銀で受け取ることを認めてはどうか だった。ここに仏教の
根本分裂が起こった。厳格派が上座部(後のテーラヴァーダ仏教の前身)にな
り、改革派が大衆部(大乗仏教の前身ではない)となった。その後、教団は分
裂を繰り返し20程のグループになった。これを部派仏教という。いずれも出家
主義をとり大乗仏教とは区別される。

大乗仏教はそれよりずっと後に起こったもので、ヒンドゥ教の影響を受けてい
る。そして在家主義的な面が出てくる。仏塔信仰や讃仏運動がベースとなって
起こってきたと考えられる。仏教ではゴータマ仏陀が過去仏の最後、過去仏は
七仏、二十五仏、二十八仏の説があり未来に弥勒仏が出現する。ジャイナ教で
はマハーヴィーラが最後のジナで24人のティールタンカラ(過去仏と同じ)を
挙げている。未来においてジナを輩出する時代がくる。このような教義もジャ
イナ教と仏教は同じルーツを持つと予見させる。

現代印度、ジャイナ教白衣派のテーラパンタ派はジャイナ教復古主義者のグ
ループでジャイナ教の原型が比較的よく保たれている。非暴力のシンボル、マ
スクと箒がなければ形態の上でも教義の上でも古代の仏教そのもののような感
じを受ける。ジャイナ教にとって非暴力の教義は厳格なもので、この点ではジ
ャイナ教は今も苦行を重視している宗教として仏教とは区別される。


<著:坂本知忠>
(協会メールマガジンからの転載です)

プレクシャ・メディテーション合宿 11月入門合宿終了のご報告


日本プレクシャ・ディヤーナ協会のプレクシャ・ディヤーナ入門合宿が11月
3日~5日までの2泊3日の日程で開催されました。

秋の深まる紅葉の美しい只見の大自然の中での瞑想合宿となりました。冬支度
の始まった只見は少し肌寒い空気に包まれており、朝の川の合流点での瞑想も
身の引き締まる思いだったようですが、常に変化していく季節の移り変わりを
肌に感じられたのではないでしょうか。今回瞑想の合宿は初参加の方もいらっ
しゃいましたが、皆さんそれぞれにご自身の学びを得られたようで、主催側と
しても何よりと喜ばしく思っております。参加者の皆様、ご参加いただきあり
がとうございました。

参加者の方の感想をいくつかの点をピックアップしてご紹介したいと思います。

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<Nさん>
三日目にしてようやく晴れました。紅葉して紅くなった蒲生岳を前にして、川
の合流点で瞑想をすることができました。自然のエネルギーが後押ししてくれ
ていつもより容易に瞑想することができました。30分という時間が大変短く感
じられ、1時間でもあっという間だったでしょう。眼を開けた瞬間、視界が大
変クリアーになっていて、頭もすっきりしていて日常の雑事や寒さは全く忘れ
ていました。坂本先生がいっていた通り、合流点はパワースポットだと思いま
した。街中ではできない体験をすることができました。


<Eさん>
瞑想の実習は、以前よりは姿勢を保つことができるようになってきているもの
の、やっぱり動かずにいることがとても難しいと感じました。今回何度と座る
中で、意味もなく動きたいという欲求が神経を通じて走っていくにもかかわら
ず、動かすという行為をせずにいられたことは収穫でした。4ステップ瞑想を
まずしっかり自分が身につけてヨガのクラスでも生かせるようになれればと思
っています。マントラを唱えることの面白さ、楽しさにも気づかせていただき
ました。響きが自分を包み、まわりの方々の響きと交じり合ってとても清々し
い気持ちになりました。まだ身につけられていないことばかりですが、入り口
にはしっかりと立たせていただいたと感じています。


<Kさん>
最初の講義でのジャイナ教と仏教とヒンドゥ教の中心的な人間観のとらえ方は
私により広いパワーをもたらしたようです。アラハンのマントラ瞑想ではたっ
たの四文字の繰り返しが、私にどちらかというと「もの哀しさ」を与えました。
その実感は「なつかしさ」のようなものでもありました。2回共にマントラを
唱えると涙が出てきました。私のことよりもマントラの方からきた力なのかも
しれないが、よき体験でした。

川での瞑想の時とその早朝からの感じを俳句もどきにしました。

蒲生岳 水神 ゆい聖(ひじり)
アラハン アラハン むすんでむすんで ゆい聖


<Sさん>
讃歌の斉唱、マントラの学びを通じて日常の自分の足らざるを知り、心地よい
場の設定にある幸福感に包まれました。以前から求めていたものも含めて体系
化できた部分も多々ありました。特に「身体の中を知る」の中でジャイナ教の
マントラを唱える中で、「後頭部のへこみ、空っぽ、目の前に光、体内のコア
に意識、血液の流れや活性化」を体験することができました。これまで学んだ
こと、疑問点だったこと、さらに深めていきたいと思っていた課題も瞑想の中
でずいぶん解決され、満たされていく自分にわくわくしています。カルマを取
りながら未来に向かってプラス思考で歩いていこうと思いました。真理の追及
ですね。家に帰ってしっかり整理し実践・努力していきたいと思います。


<Mさん>
とても迷って迷って参加した合宿でした。
プレクシャのクラスにでてもまだ自分の中に受け止められず参加する資格がな
いのでは?と思いつつ、でも変われる期待を持って決めました。カルマの浄化
になること、良い方向へ変えられること、智恵のある生き方ができること、す
べての病気の根源的な健康法となることなど、知らなければ気づかない様々な
知恵や能力や考えを授けてくれる瞑想は、知れば知るほど素晴らしく惹かれま
す。これからも学ぶことにより向上していけることと希望を持ち、多くの機会
に瞑想にふれ、学んで、いつの日にか素晴らしさを深く味わえる時がくること
を願っています。

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スタッフ一同、みなさんにご参加いただけたことを深く感謝しております。瞑
想の扉を開いて、内なる自分を見つける旅をこれからも少しずつ深めていただ
ければ幸いと思っております。

今期はこれで合宿は終了ですが、来期にも只見にて合宿を行って参りますので、
皆様のご参加をお待ちしております。


セミナーの詳細はこちらからご覧ください。
http://jp.preksha.com/learn/#seminar

ご不明な点などは協会事務局にお問い合わせください。


2012年11月19日月曜日

特別講演「ジャイナ教の環境についての考え方とライフスタイル」のお知らせ



この度、インドからジャイナ教テーラパンタ派の重鎮S.L.ガンジー博士が来日
されるのを機に、当協会でも特別講演が開催される運びとなりました。世界最
古の宗教といわれるジャイナ教は、エコロジーの観点からも、環境にやさしい
宗教です。

ガンジー博士は現在、ANUVIBHA(ジャイナ教の世界平和非暴力センター)の所
長を務められており、国連をはじめとする国際的な平和会議にジャイナ教の公
式代表として出席する立場の方(ジャイナ教の外務大臣的存在)で、非暴力的
な生き方(人間同士だけでなく環境エコロジーに対しても)を提唱されていら
っしゃいます。

特別講演では、ぜひ皆様にこのジャイナ教の叡智のエッセンスに触れ、人間生
活にとって本当に必要なものとそうでないものを考えるきっかけにしていただ
ければと思っております。質疑応答や議論をする時間もつくります。皆様のご
参加を心よりお待ち申し上げております。

日時: 2012年11月29日(木) 18:30~
場所: 沖ヨガスタジオ
東京都中野区東中野3-16-4 小谷ビル301 TEL: 03-6908-5613
参加費:2,000円(当日受付)
※講演後、会場にてガンジー博士と軽食を伴にしながらの座談会を予定してい
 ます。数に限りがありますので、ご希望の方は、是非事前(27日まで)に協
 会までお申し込みください。(1500円/ベジタリアン食のケータリング)

詳細パンフレットは下記からご覧ください。
http://jp.preksha.com/lifestyle_lecture.pdf

お問い合わせ・お申込みは当協会事務局までご連絡ください。
メールアドレス:japan@preksha.com



第40回 定期研究会のご案内

第40回定期研究会を下記のとおり開催いたします。
ふるってご出席下さいますよう、宜しくお願い申し上げます

日時:2011年12月3日(月)19:00~21:00
場所:営団地下鉄東西線「南行徳」駅そば(集会室1)


テーマ:ヨーガの思想のその後の変遷と分化(その2)
    ―ハタ・ヨーガの現代的展開と瞑想―

前回は、「ヨーガ・スートラ」=サーンキャ学派がどのような背景・経緯によ
ってヨーガの歴史から後退し、代わってハタ・ヨーガが発展したかを概観しま
した。そしてラージャ・ヨーガとハタ・ヨーガの特徴を比較し、さらに後者の
中核概念であるプラーナ、ナーディ―、チャクラの原理を確認して、その思
想・哲学史上の位置付けを整理しました。

次回は、主流となったハタ・ヨーガがその後現代に至るまでどのように展開し
たか、それとともに瞑想の内容がどのように変質してきたかをみていきます。
ともすれば怪しい神秘主義に陥りがちな瞑想というものを、より確かな心理学
的基礎をもつ技法として捉えなおすための根拠を思想史的に掘り起こしたいと
思います。

※開催直前に必ず協会ブログページ(http://prekshajapan.blogspot.com/)
 をご確認ください。連絡事項を掲載する場合があります。
※準備の都合上、出席される方は前日までに中村
 (savita.nakamura@gmail.com)までご連絡ください。ご連絡をいただかな
 いと、資料を受け取れないことがあります。
※当日参加費として1000円(非会員の方は1500円)(通信費・会場費・資料代
 等を含む)を頂戴いたします。



【今後の開催予定】
2013年2月4日(月)19時~21時 場所:「南行徳」駅そば(集会室1)
2013年3月4日(月)19時~21時 場所:同上

※定期研究会は、原則として、毎月第1月曜日に開催しています。